『また、逢う日まで……』卒業公演

2010年3月21日(日)@市民交流センター ビバホール

 2010年の卒業公演は、洲本実業演劇部+淡路三原高校演劇部+津名高校演劇部+洲本実業高校、洲本高校OB・OG+舞子高校教員となりました。
 竹本先生が最後という事で、洲本実業高校のOB・OGがかなり多くなっています。それに伴う練習の変化で現役部員達はかなり戸惑ったようです。

物語の舞台は菅原家。そこへ新聞部が尋ねてくる。

 年の瀬の12月末に始まったこの企画。
 参加表明をしておきながら撤回したOB、練習への参加が少ないメインキャスト、それにより変わってゆく台本、突然の参加表明者多数、洲実唯一の卒業生の 体調不良による戦線離脱、他にも体調不良者多数、練習中に負傷者も──。などと、今回ほど事件に飛んだ卒業公演は無かったのではないでしょうか。
 無事公演できたのが、本当に【奇跡】だと思います。それもあのクオリティの舞台を。
 「通し稽古初日」のようなクオリティの本番でしたが、その数日前までは、無事通るのかさえ冷や冷やものだったのですよ。もっと言えば、誰も舞台の全貌をつかめていなかったという……。

 “久しぶりに竹本先生に少しだけ火が付いた?”

 それは、かつての部員たちが必死になったから。
 本当の想いは、前日の練習時に見せた熱い姿。あの怒りそのものだったのではないでしょうか。それを誰か、掬えましたか?
 かつての部員たちが少しだけ見せた練習の姿勢は、その後に繋がっていくのか?これは、現役部員たちの課題です。

 あのクオリティの本番に満足していてはいけないのです。
 とは言え、あのクオリティの本番が出来るから(練習ではそこまでの予測は出来ない)、練習を蔑ろにしている感もなきにしもあらず。あの本番の舞台は、あくまで練習クオリティ。すなわち、日々の練習があのレベルでなければお話にならない。
 さて、誰か気づきましたか?

達平太が撮った映画フィルム。

 個人的に大変だったのは、本当に舞台が見えなかったこと。仕込み図を描いても、私はわかっていなかった。
 去年なども同様にぐだぐだの練習だったものの、芯となる山本直哉役の家田君がしっかりしていたので、理解を出来ていた。
 しかし、今年は──。
 脚本上で主役がスライドしていったこと、配役チェンジが激しかったこと、それに増して練習がぐだぐだだったこと。もしかすると竹本先生と組むラストの舞台。私としてはちゃんと作り込みたい思いもなきにしもあらず。
 台本をもらったのが本番2週間前。いつも通り練習はちょくちょく見ていたので、ある程度、頭に入っていてもおかしくない時期。
 「役者の演技に賭ける」ということができない。練習から本番の舞台を想定することが出来ない。どこにサスを落として良いものかわからない。──今までにない迷い。
 だから表現したのは、「回想のシーンのみ」と言っても良い。
 台本を読んだときに感じた、【強烈な印象】を表現した強烈なバックサス。敢えて役者の表情を見せない。これは初めての挑戦。その為に潰した客席前3列。大変失礼しました。

 回想と映画のシーンはどうでしたか?

 私自身、客席で観て迫力に押された映画のシーン。
 これは生でないと伝わらない。写真にも映像にも残らない。ただ、記憶の中に残るのみ。(左上の写真はその「映画のシーン」のラストですが、強烈な印象は無いと思います。そういう事です)
 ただ、個人的には、もっと軽く演じて欲しかったかも知れない。

和子、旅立ちの朝。

 急遽、予定を半日前倒しし、ホール入りしたのは2日前の午後。平台の枚数を間違えるハプニングも(苦笑)
 それにしても、あれだけ走り回ったのは何年ぶりだろう?
 前日午後からは、キッカケ合わせ。
 時間がかかるだろうと予想していたものの、予想以上。午後を丸々いっぱいキッカケ合わせに使う。と言っても、本当のキッカケ合わせはあまり出来て無く、ほぼ役者の練習。この辺り、役者の勘違い。
 最終的に照明と音響のキッカケを合わせられなかったのが……、と言うより、音響に細かい指示が出来なかったのが心残り。
 だいたいなんで暗転の演技がホールに来てから変わるんだッ!?
 そういえば、この間、OGの山林さんがみえられていました。

 ホールでのリハーサルは、前日夜と当日朝の2回。
 全員揃った練習は、当日朝のリハーサルが初めて。セリフ覚えに苦心していた武雄役の竹本先生も何とかセリフが出て、本番への光明が見えたかも。

 本番には、予想に反して多くの観客の皆様にご来場いただきました。
 ありがとうございました。
 また機会がありましたら感想などお聞かせください。

 懐かしい面々も数多く──。
 洲本実業高校演劇部の竹本先生時代のほぼすべての年代が揃っていたのではないでしょうか。言葉もありません。

 竹本先生は言いました。

  「最後、木田さん(和子役)と同じ気持ちで握手できたのは良かったなぁ」 

また、逢う日まで……

  • CAST
    • 菅原武雄
    • 竹本 仰
    • 顧問
    • 菅原宗子
    • 斉藤文香
    • OG
    • 菅原二郎
    • 栗嶌亮茉
    • 1年
    • 菅原カク
    • 高尾優貴
    • OG
    • 田辺 亨
    • 大川恵実
    • 2年
    • 黒岩兼二
    • 大浜直希
    • 1年
    • 小田郁代
    • 桐原麻奈
    • 1年
    • 浜田久志
      田中達平
    • 榎本 誠
    • 1年
    • 野崎靖代
    • 井戸瑞葵
    • 1年
    • 岩崎憲昭
      高橋誠之
    • 元木宗保
    • 2年
    • 伊藤節子
    • 山崎恵美
    • 教員
    • 広野美喜
    • 山田史恵
    • 3年
    • 根之木新平
    • 三浦裕太
    • 2年
    • 三本孝代
    • 池上亜紀
    • OG
    • 薬師寺 力
    • 池上弘和
    • OB
    • 鈴木和子
    • 木田温子
    • 2年
    • 小田泰雄
    • 山戸誉理
    • OB
    • 浜田志乃
    • 安宅ますみ
    • OG
    • 鈴木たよ
    • 大村道子
    • OG
    • 根之木一郎
    • 熊田創己
    • 1年
    • 薬師寺美保
    • 木村友美
    • OG
    • 甘粕正彦
    • 松下利明
    • 顧問
    • 山田史恵
  • STAFF
    • 竹本 仰
    • 潤色
    • 竹本 仰+α
    • 舞台監督
    • 井上芹菜
    • 2年
    • 照明
    • 鈴木 遊
    • OB
    • 音響
    • 加藤博也
    • 1年
    • 衣装
    • 大浜直希
    • 小道具
    • 三浦裕太
      大村道子

    •  
    • 制作
    • 高尾優貴
  • :洲本高校
  • :三原高校+淡路三原高校
  • :津名高校
  • :舞子高校
STORY

 1973年(昭和48年)6月。大分県津久見市、菅原家。
 萩原写真館から見つかった一つの16mm映画カメラ。「満映(満州映画)」と銘が入ったそのカメラとフィルムの繋ぐもの。
 津久見高校新聞部の取材で紐解かれていく武雄さんの過去。大東亜戦争であったかも知れない若者の生き様。
 そして、明日への希望──。

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