『時間旅行者たち』支部大会
今回の台本は、私の処女作になります。
おすすめできる既製台本が浮かばなくなった以上、これは書くしかありません。
必要に迫って書いた台本なのです。
話は突然変わりますが、今年の県大会は阪神支部主催、すなわち会場はピッコロシアターなのです。
この本は、元々、ピッコロシアターで上演することを念頭において書きました。まずは、自分たちの演技空間を必要以上に広くとらないこと。
演劇をみせる為には、演技を成立させることが何より重要です。
個人的には、やる以上は県大会で争える作品にしたい。より明確には“阪神支部に一泡吹かせてやりたい”という思いはありました。
その為には、≪台本の設定を2011年という現在、そして登場人物が等身大の高校生としたからには、≫部員たち=生の高校生の声をもっと反映する必要がありました。
その点では、この台本は未完成だったのですが、私の失態ですね。彼らの意見を織り込むことはできませんでした。
その反面、しっかりとした手応えもありました。
淡路支部で最優秀を取り県に出場することはそう難しいことではない、と考えています。
的確に指導してあげれば、良いお芝居は出来上がる。良いお芝居が出来れば、それは県でも評価されるハズ。
私が指導したのは全体の20%ほどですが、その分にはしっかり部員たちは応えてくれました。全力で指導しなかったのは大会規定で外部スタッフが禁止され ているからでもありますが、その事に関しては審査員を務めた蓬莱先生より「何が“外部”やねん。プロが指導したって、100%伸びるとは限らん。遠慮せん と100%やったらええねん」とお言葉をいただきました。
あまりに大会規定を気にしすぎた私の失態かもしれません。
良いお芝居を全力で作ること自体は、部員たちにとってかなりいい経験になるはずですからね。そのほうが、より実りがあったに違いありません。反省。
私の想定の出来を遙かに下回った本作品ですが、最後の最後で目標としたのはボロボロでも県大会です。
県大会で得られるものは、おそらく大きい。
自分たちの演劇がどのレベルで、良いお芝居をするためには何が足りないのか。それを知るには、やはり県大会という土俵に立って、その空気を肌で感じるのが一番です。
演技・演出・音響・照明──。
何がダメだったのか、良かったのか。審査員の講評。私の感じていたこととそれほど遠くない指摘。選曲の仕方や想いの表現方法、などなど。
自分たちで考えて頑張ったことのどこがダメだったのか。
私から指摘するのではなく、審査員にお願いした方がいいな、と思ったところを的確にダメ出ししていただきました。
それを受けて自分たちでどう修正するのか。少しは自分たちで考えてもらいましょう。
最終的には、冷や汗ものの上演でしたが、なんとか最優秀賞をいただきました。
3年振りの県大会、そして久し振りのピッコロシアターへ行ってきます!
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時間旅行者たち
CAST
- 佐々木 淳志
- 大浜直希
- 3年
- 青柳 真知子
- 藤代明香
- 2年
- 永田 美希
- 名田みず穂
- 1年
STAFF
- 作
- 鈴木 遊
- OB
- 演出
- 大浜直希
- 舞台監督
- 藤代明香
- 照明
- 松下徹哉
- 1年
- 音響
- 加藤博也
- 3年
作者のことば
『夢』『ロマン』『冒険心』──。
2010年11月7日(日)、西崎義展プロデューサーが不慮の事故により旅立たれました。昨年の淡路支部合同発表会最中の出来事でした。
西崎さんが作品の中で私たちに教えてくれた数多くのこと。中でもとりわけ《明日への希望》を描きたい、継承していきたいと思いました。
物語は2011年9月上旬、とある高校のSF研究会部室からはじまります。
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