Spring Stage

2016年4月24日(日)@南あわじ市中央公民館 大ホール

 2016年4月24日(日)、南あわじ市の中央公民館で『Spring Stage』が行われました。

 これまで洲本実業が中心となっての合同公演や淡路島高校演劇卒業公演はありましたが、淡路支部としての合同公演は初の試みです。淡路三原・津名・洲本実業の演劇部が、各作品を持ち寄りました。

 半年以上の時間が経ってしまったので、当時のメモを元に振り返ってみます。

津名『演ずる殺人事件』

演ずる殺人事件

 この作品は、2014年度(つまり1年前)の卒業生が書いたもの。
 先輩の書いた作品をやりたいという後輩の想いは、正解。

 殺人事件そのものが演劇部に仕組まれた罠だった。つまり、それ自体が劇中劇というコメディタッチのお芝居。だったらもっとテンション高く遊ばなきゃ!
 名探偵コナンにこだわるなら、そこも一徹すべき。そうしたら、もっともっと面白くなったような気がするけど、どうでしょうか?

淡路三原『Nostalgia』

Nostalgia

 初めて演劇の台本を書いたのかな?そう思う生徒創作作品。
 物語を書こうという意識が強すぎるのか、会話が不自然なのが気にかかる。自分たちの言葉で書いて良いんだよって言いたくなる。
 セリフも聞こえづらく、もう少し観客席を意識した方が良い感じ。空間の使い方も含めて、勉強していかなきゃ!ですね。

洲本実業『死神の部屋』

死神の部屋

 こちらも生徒創作作品。
 劇中で様々な問題が出てくるけど、おそらく作家自身の身から出たものではないから、リアリティに欠けてしまう。何を言いたいのか?いまいち散漫としてしまう。
 台本を書ききったことは素直に賞賛すべきこと。だけど、“何を伝えたいのか?”ってもう一度、立ち戻ってみて欲しい。
 どうすればもっと立体感が出てくるか?それは、台本もそうだし、演技の面、演出の面でも考えなきゃいけないことはいっぱいある。

津名『留年式』

留年式

 3月まで顧問を務めていた井俣先生の創作作品。
 学校生活の中から出てきたアイデアを使っているからか、今まで井俣先生が書いた台本の中で一番活き活きとしてる。台本もしっかりしているので、演技にも無理がない。
 だけど、演劇の台本と言うよりコントっぽいかな?って。
 観客の心に何を残せるか。そこが課題かな。

淡路三原『ユキコといた夏』

ユキコといた夏

 松下先生が三原高校を率いていた頃、2005年に県大会へ出場した作品。
 観客席にはそのときに演じた二人が座っていました。

 オリジナルを真似たわけじゃないっていうのは、素直に評価できるポイント。お芝居は、“自分たちが何を表現したいか?”だから。
 この作品は、現在と回想が折り重なるように交互に進行していく。だからそこに対してアイデアが必要なのだけど、それが足らない感じ。見ていていまが現在なのか回想なのか、それが解りづらく混乱してしまう。

 もしもオリジナルのビデオが残っているとしたら、それを見てみると良いかもしれない。

公演するってこと

 この『Spring Stage』で残念だったのは、折角ホールを借りたのに仕込みをしなかったこと。ありのままの舞台で上演されたこと。

 公演場所はどこだって構わない。教室でも部室でもホールでも。
 その場所を、自分たちの作品にあった形で仕込んでいくのは普通のこと。

 お芝居は、こだわりの塊だ。
 台本に対するこだわり。演技、演出、照明、音響──観客に対して自分たちの“表現したいこと”を伝えていくには、それらに対するこだわりを捨ててはダメ。自己満足っていうのが一番怖い罠。
 残念だったのは、上演されたどの作品も観客に対する視線が足らなかったこと。
 素舞台で上演された青森中央の『もしイタ』だって、その為のアイデアや工夫が盛りだくさんだ。

 公演できる機会は貴重。
 だからこそ、ちゃんとこだわって、ちゃんとお芝居をできる環境で公演して欲しいと思うのです。

死神の部屋

  • CAST
    • 死神
    • 岡 千尋
    • 2年
    • 花園雪音
    • 三浦瑠奈
    • 2年
    • 山崎誠司
    • 門脇優斗
    • 2年
    • 蒼井風香
    • 砂川茉由佳
    • 2年
    • 夜雲 亮
    • 中嶋雪矢
    • 2年
  • STAFF
    • 岡 千尋
    • 2年
    • 脚色
    • 洲本実業高校演劇部
    • 照明
    • 川岸未来明
    • 3年
    • 音響
    • 上田瑠菜
      川田美波
    • 3年
      3年

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