『MAYBE BLUE』
この公演は、竹本先生時代の公演の中でも異質な公演です。
役者の技量ではなくスタンプ演技より導き出される竹本演出(これを「竹本マジック」と私は称した)、また部員の意志と関係なく「君には○○が向いている」と配置するやり方に疑問を呈したのです。
これは、一度、演劇の基本に戻ってやってみよう、と、部員たちと相談して、私が演出で進めました。
この公演練習期間の数ヶ月、竹本先生は職員室から温かく見守っていたのです。本番は客席でゆっくり観劇しながら、心の内でダメ出しをされていたようですが……。
ストイックに演劇的にやってみようと考えていたので、当初は洲本実業高校演劇部の単独で公演を行う予定でしたが、部員たちの要望により洲本高校演劇部と合同で練習はスタートします。
戯曲は高尾さんの書き下ろし。
それも、誰の潤色も伴わない、純粋たる高尾台本。
これにも理由があり、折角、戯曲の書ける作家がいるのだから、一度、最後までやり通すべきだと。これまでの高尾台本は(それ以外の人が書いた本も)かなりの割合の竹本色(潤色)が入っていましたから。
途中、情熱を失うこともあったようですが、何とか書き上げてくれてホッとしました。ただ、場面が点々としてしまって(一文字一句たりとも台本には手を入れない、と決めていたので)、演出的にはかなり苦しい展開になってしまいましたけどね(苦笑)
今、公演写真を見ると、演出的にはかなり甘かったなぁ……と、反省せざるを得ません。みんな、ごめんなさい。
スタッフワークも見直しました。
いままでおざなりになっていた、舞台監督や照明もちゃんとやろう、と。音響の選曲は、結局、私がしてしまいましたけどね。
その為に、いろいろ苦労をかけた人もいます。
ずっと照明オペだった彼を役者に引っぱってしまったし(他に照明志望の部員がいたから)、役者志望だった彼女を(役者としてより一層成長してもらう為でもありますが)舞台監督兼演出助手というスタッフに据えたりもして。
果たして全て上手く行ったのか?というと、そうは思いません。
やはり自分もまた若かったのです。
ただ、この公演に関わった人たちが、いつもとは違う空気で何か別の発見があったのなら、それは意義のあることだったのだと思います。
それは、私の決めることではありません。
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MAYBE BLUE
CAST
- 牧原貴彦
- 池上弘和
- 3年
- 牧原和也
- 木村晋太郎
- 2年洲
- 浅見ゆり
- 石田莉乃
- 1年
- 水島かおり
- 高尾優貴
- 3年
- 牧原あすか
- 久保聡美
- 1年洲
- 牧原和志
- 武田義之
- 2年
- 龍野美波
- 大村道子
- 3年洲
STAFF
- 作
- 高尾優貴
- 演出
- 鈴木 遊
- OB
- 演出助手
- 池本光恵
- 1年
- 照明
- 川浦亜依
- 2年
- 音響
- 井高利紗
- 2年
- 装置・美術
- 鈴木 遊
池上弘和
- 舞台監督
- 池本光恵
- 制作
- 川浦亜依
池本光恵
- 洲:洲本高校
STORY
後日、掲載かも。
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