『二〇一二、はじまり……』自主公演
タイトルは「にぃぜろいちにぃ、はじまり……」と読みます。
“自主公演でないと出来ないことを”と考えたときに、ふと思ったのが演劇部の話、でした。前回、コンクールのときは敢えて避けた演劇部の話。そう思ったときに、『はじまり、はじまり……』をモティーフにすることは決まりました。
竹本先生時代の部員もこの3月で卒業し、ある意味区切り、「はじまり」だと思ったのです。そして、“今”の演劇部が『はじまり、はじまり……』に出会ったとき、どのような化学反応を起こすのか、それが挑戦でもありました。
とは言え、書き出しが難しい。
まず考えたのは、「車輪」を使うこと。『ぐっど・らっく!』の為に購入したこの車輪は、それ以外のお芝居では使われたことがありません。
演劇というのは、他から見れば無駄なことの結晶で、その舞台のために作ったり買ったりと、買ったものは車輪だけではなく、今回未登場ですが、国民服や8ミリカメラ(本当は16ミリが欲しかった)など様々です。でも、その舞台にはどうしてもそれが必要!だから、大枚叩いても買うわけですし、二度と使わなくても作るわけです。
演劇部の部室には、そんな何に使われたかわからないような「過去」があります。
過去と対峙すると言うことは、すなわち、その想いを受け取ると言うこと。
しかし、これが見事なまでに伝わらない。
過去の先輩たちの演劇に対して抱いた熱い思い。そして、『はじまり、はじまり……』という唯一無二の作品の大切さ。だから、そこから想いを受けて物語が構成されるのです。
けれど……。
公演3週間前、初通しでの気持ちのない演技。
竹本先生に部員から手紙を書かせてみたり(各部員には丁寧な返信が来たようです)、ビデオを見たり、過去の台本を読んだり、その時の様子を語ったり……。
色々してみたけれど、それが改善されることはついになく。
熱く語っても伝わらない、暖簾に腕押し状態ですが、言い換えれば、私の力不足なのかも知れません。
いろいろな要因が相まって、当初描いていたような“苦しい演劇”とはなりませんでした。
すなわち、部員たちが本気でもがき苦しんで、舞台と対峙することはなかったわけです。
苦しい中の楽しさ。そんなのを見いだせれば、と思っていました。
誰もが、つまり、演じている当の部員までもが、「ダメだ」と感じつつ、何も改善しない現状。ある意味苦しいのですが、何かを生み出すときの苦しみ、最善を尽くす苦しみとは違います。
あの時間は、何だったのだろう???
課題は回収できました。
痛感するのは、部員たちの日本語力の無さと、気づく力のなさ。
そこを改善していかないと、良いお芝居が出来ない!
しかし、あそこまで想いが伝わらないと、さすがに凹みます。
自分と近しい役だったから、演じにくかったのか?でも、その壁を打破しなければならなかったはずですし、出来ないことではなかったはず。
しかし、演劇部のつながりの弱さも問題だなぁ。
今回、多くのOB・OGにもDMを出したのですが、9割9分来られていませんでした。どうにか、この先輩方を引っ張り出す方法も考えないと。
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二〇一二、はじまり……
CAST
- 藤浪 明里
- 藤代明香
- 3年
- 山田 瑞希
- 名田みず穂
- 2年
- 清水 義雄
- 松下徹哉
- 2年
- 花野 達郎
- 鶴谷昭広
- 1年
- 松田 亮
- ○○○○
STAFF
- 作
- 鈴木 遊
- OB
- 演出
- 演劇部
- 舞台監督
- 藤代明香
- 照明
- 鈴木 遊
- 音響
- 宮崎 忍
- 2年助
- 助:助っ人
STORY
たった3人の演劇部。
2012年の、青春ドラマの、はじまり……?
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